あなたはプランターでトマトやミニトマトを育ててみたくてこのページに来たのではないでしょうか?
だとしたら、トマト農家の私が書いたこの記事を読めば、プランターでのトマトの育て方はバッチリです。
トマトを育てたことがない、道具が何もない、といった方でもトマトを育てられるように、1から全て解説しています。具体的な内容としては次の4つです。
- トマトをプランターで育てるメリット・デメリット
- プランター栽培におすすめのトマトの品種
- トマトをプランターで育てるために必要な物と準備
- プランターでのトマトの育て方【とても丁寧に1から全て】
ここまで丁寧にトマトの育て方を解説しているサイトは他にありません。
この記事は、誰でもプランターでトマトを育てられるようにとトマト農家の知識を詰め込みました。
家庭菜園でプランターでトマトを育ててみたいと考えている方は、この記事を片手に、トマトを育てる準備を始めてみてください。
トマトをプランターで育てるメリット・デメリット
最初に、トマトをプランターで育てるとどんなメリット・デメリットがあるか把握しておきましょう。
既にトマトを植える準備をしていて、育て方を知りたいという方は苗の植え方まで飛ばして読んでください。
プランターよりも畑の土で育てた方が良い場合もあるので、本当に適している栽培方法はどちらなのか考えてみてください。
トマトのプランター栽培のメリット
トマトをプランターで育てると、主に次の3つのメリットがあります。
- プランターを置く場所を自由に選べる
- 畑が無くても栽培できる
- 水分量を調節できる
トマトのプランター栽培の一番のメリットは、置く場所を自由に選べるので、栽培スペースの確保がしやすいということです。プランターさえあれば育てることができるので、畑を持っていない人でも挑戦できるのも魅力の一つです。
そして、もう一つトマトには大きなメリットがあります。それは、水分量の調節ができることです。
トマトは、与える水の量が多すぎても少なすぎても上手く育ちません。畑で育てると雨が降って土中の水の量が多くなりすぎたり、水が不足すると深いところまで湿らせるのが難しかったりします。
その点、プランターは土の量が少なく、湿るのも乾くのも早いため、丁度良い水分量をキープしやすいのです。
トマトをプランターで育てるメリットは大きくこの3つですが、デメリットもあるので続いて確認してみてください。
トマトのプランター栽培のデメリット
トマトのプランター栽培には次のようなデメリットもあります。
- 株数を増やすには複数のプランターが必要になる
- 根が張るスペースが狭く、成長が少し遅い
- 果実の大きい大玉トマトの栽培が難しい
トマトを育てると、思ったよりも大きくなってびっくりすると思います。その分、樹だけでもかなりの重さになるのです。
そのため、プランターだと1株しか植えられないということもあります。株数を増やしたい時には、大きなプランターを用意したり、さらにプランターの数を増やしたりすることが必要です。
また、プランターだとトマトが根を張れるスペースが制限されます。畑で育てるよりも根が少なくなって水や肥料の吸収量が減るので、畑での栽培よりはトマトの生育が遅くなることがあるでしょう。
そして、根を張るスペースが限られると大きな実が付く大玉トマトには狭すぎることもあります。大玉トマトを育てたいのであれば、畑で育てる方が栽培の難易度は下がります。
では、プランターでトマトを育てるなら大玉トマトはやめた方がいいのか?次の章からおすすめのトマトの品種を紹介していきますよ。
プランターで育てられるおすすめのトマトの品種
トマトには大きさで分けられた「大玉トマト・中玉トマト・ミニトマト」3つの種類があり、品種も様々です。
ここからはプランターでトマトを育てようと考えている方に向けて、どの種類を選んだらいいのか選ぶお手伝いをさせていただきます。
初心者にもおすすめのミニトマトの品種から、少し難しい立派な大玉トマトまで紹介しているので是非参考にしてみてください。
初心者には「ミニトマト」がおすすめ
トマトは基本的に、「ミニトマト➡中玉トマト➡大玉トマト」の順で育てるのが難しくなっていきます。
なので、初めてプランターでトマトを育てる方にはミニトマトがおすすめです。
実が付きやすく、量もたくさん採れるので、収穫する喜びを味わうには最も適しています。そして糖度が高いのでフルーツ寄りのトマトですね。
その中でも特におすすめの品種を載せておきます。
- 【アイコ、イエローアイコ】
知名度が高く、スーパーにも並ぶ品種です。ミニトマトと言えば「アイコ」。という人も多いくらい人気の品種ですよ。 - 【千果(チカ)】
長期間の栽培に向いている品種なので、長い間収穫したい人におすすめです。また、糖度が高くて味も満足できますよ。 - 【プチぷよ】
赤ちゃんのほっぺのような弾力のある果肉が特徴の品種です。夏のトマトに多い裂果に強く、育てやすさも売りです。
ミニトマトより大きくて育てやすい「中玉トマト」
ミニトマトより大きなトマトを育てたい、でも難しい品種は自信がない。そんな人には、ミニトマトと大玉トマトの中間をとったような「中玉トマト」がおすすめです。「ミディトマト」と呼んだりもしますね。
ミニトマトのように一口サイズではなく、1果のボリュームがあります。糖度はミニトマトより少し下がりますが、大玉トマトよりも甘みを持っています。
中玉トマトのおすすめの品種は次の通りです。
- 【フルティカ】
ミニトマトに近い糖度があり、味の良さと育てやすさのバランスがとれた品種です。裂果にも強く、夏の栽培にはもってこいですね。 - 【ルビーノ】
育てやすさが売りの初心者向けの品種です。どんどん実が付いていき、特に注意する点もなくて扱いやすいです。 - 【レッドオーレ】
食味が極めて高く、中玉トマトの中でも抜群の甘さを誇ります。プロの生産者も栽培する品種なので、美味しい中玉トマトを育てたい方におすすめです。
一番難しいのは大玉トマト
最も栽培難易度が高いと言われているのが大玉トマトです。ちなみに、どうでもいい情報ですがトマト農家の私は大玉トマトを育てています。
1果が大きく、赤くなるまで樹についている時間が長いので、樹と果実の成長のバランスが取りにくいのです。
少し育てるのが難しくても、大きくて立派なトマトを自分で育ててみたい!という方は大玉トマトに挑戦してみてください。
私の記事の育て方と、次に紹介するおすすめ品種を参考にすれば初心者でも問題なく育てられますよ。
- 【桃太郎系】
日本で最も流通量が多く、味にも高い評価を得ているのが桃太郎系統のトマトです。(我が家も桃太郎を育てています)
桃太郎の中でもたくさんの品種がありますが、どれを取っても美味しくて育てやすいので外れがありません。 - 【麗月】
少し小ぶりの実になりますが、大玉トマトの中ではとても育てやすい品種です。果実はトマト特有のゼリー部分が少なくてシャリシャリとした食感で、柔らかいトマトが苦手な人でも食べやすいですよ。 - 【パルト】
受粉をしなくても実が付く「単位結果性」という性質を持ちます。人工授粉をしなくてもいいので、何もしなくても実が付いてくれます。しかし、私が食べた時はあまり味が良くなかったので、他の品種と比べると味には劣っているかもしれません。
トマトのプランター栽培に必要なもの
プランターでのトマト栽培を決心し、どんなトマトを育てたいかイメージできましたか?
では、いよいよトマトを育てる準備をしていきましょう!まずは必要な物の準備ですね。
トマトのプランター栽培に必要なものは以下の通りです。
- プランター
- プランターに敷き詰める培養土
- トマトの苗
- 鉢底石
- じょうろ
- 支柱(長さ2m、直径2cmほどの丈夫なもの)
- 麻ひもor誘引の道具
- 移植ごて(園芸用の小型シャベル)
特に重要な、「プランター・培養土・トマトの苗」の3つについては次から詳しく説明していきます。
トマトを育てるプランターの選び方とおすすめのプランター
トマトは根を深くまで伸ばし、人の身長よりも大きく育つ植物なので、根を張るスペースがあり、水や肥料を蓄えておける大きめのプランターを用意しましょう。
ミニトマトであれば小さめのプランターでも十分ですが、大玉トマトはたくさんの水と肥料を必要とするので、プランターの大きさには特に注意が必要です。
プランターの深さは30cm以上あるのが理想です。丸型のものであれば直径30cm(10号)以上のものを、長方形型のものも幅が30cmほどあるのが理想ですね。
これらの条件を満たしている、私がおすすめするプランターを載せておきますが、正直これを選んでいれば失敗することはないです。
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この2つのプランターは、トマトを育てるための条件を満たし、支柱を固定できるメリットもあります。
プランター選びに迷ったら、この2つのプランターから選んでみてください。
プランターに敷き詰める培養土の選び方とおすすめ培養土
続いて、トマトを植える培養土の選び方です。トマトは土に植える時に、ある程度の肥料が入っていないと上手く成長していきません。
自分で土に肥料を入れて配合することもできますが、初心者の方は市販の培養土を使うことを強くおすすめします。
トマトは肥料が足りなかったり多すぎたりすると、実がならなかったり、黒く変色する「尻腐れ」という障害果が出たりするのです。
培養土を選ぶときは対応作物にトマトが含まれているものを選ぶと間違いないでしょう。その中でも、尻腐れが出にくいおすすめのトマト専用培養土を紹介します。
「野菜の培養土 トマト用」と、トマト栽培のために作られている培養土で、先程のプランターとセットで購入すればトマトを植える土台の準備はバッチリです。
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"description": "トマト用に肥料が配合されているので、トマトを育てるには最適の培養土です。土の量も20リットルと適度で、先程紹介した丸型プランターなら1袋、長方形型なら2袋買うと丁度良い量になります。",
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良質なトマトの苗の選び方
トマトを植えるプランターと培養土が決まったら、いよいよ苗の準備をしていきます。
トマトの苗を手に入れるには、種から育てる方法と苗を買ってくる方法がありますが、初めて育てる人は購入苗から始めてみましょう。
苗の購入先は、ホームセンターや園芸店など様々で、通販で販売しているお店もあります。苗の販売シーズンは4月下旬~6月上旬頃が一般的です。
通販での購入は現物を見定めることができませんが、自分で選んで購入できる場合は次の条件を満たす苗を選んでみてください。
- 葉に厚みがあり色が濃い
- 葉と葉の間が短く、徒長(弱々しく育つこと)していない
- 高く伸びるというより、茎が太くどっしりしている
- 1段目の花(蕾)が付いている
- 生え際からの高さが、1段目開花時点で40cm程度
- 子葉(二葉)が付いている
トマトは「苗半作」と言われています。苗の育て方で今後の生育の半分が決まるということです。
半分が決まるというのは少し大袈裟な言い方ですが、トマトを育てる上で苗の育て方、見分け方はとても重要なのです。
ひょろひょろと長く育ってしまった苗よりも、太くて背の低いがっちりとした苗を選んでみてくださいね。
ここまででトマトを育てるために必要な物は十分に揃いました。次の章からは実際に植え付ける準備と方法について解説していきます。
プランターでのトマトの育て方【プランターの準備】
トマトを植えるには、まずはプランターに培養土を敷き詰めて、置く場所を決めなければなりません。
まずは、土台となるプランターの準備の方法について説明していきます。
プランターに培養土を敷き詰める
プランターに培養土を敷き詰める手順は以下の通りです。
- プランターを綺麗に洗っておく
- 鉢底石をプランターの底が見えなくなるくらいまで敷き詰める
- 購入した培養土を敷き詰める(少し余裕を持たせる)
購入したばかりのプランターなら汚れは少ないと思いますが、2年目以降の使用はしっかりと洗うようにしましょう。土が付いたままになっていると、前年の病気を持ち越してしまう可能性があります。
プランター栽培では土の中に病気がある可能性は極めて低いですが、少しでも病気の可能性を減らすためにしっかりと洗っておきましょう。
鉢底石を敷き詰めたら培養土を入れていきますが、プランターぎりぎりに敷き詰めないように注意が必要です。
トマトが大きく育ってくると、一度に多くの水を与えます。土が多すぎると水をあげたときに流れでてしまうので、少し余裕をもって培養土を敷き詰めるようにしましょう。
プランターを置く場所を決める
土台であるプランターの準備ができたら、置く場所を決めます。どこでも育てられて場所を取らないのがプランターでのトマト栽培のメリットですが、置く場所が悪いと上手く生育しないのです。
トマトを育てる場合、次の3点に注意してプランターの設置をしてみてください。
- 日当たりの良い場所
- 風通しが良く、湿気が溜まらない場所
- 雨が当たらない場所
トマトは好光性植物と呼ばれる、日光を大量に必要とする植物です。日当たりの良さは直接生育に関わってきます。
できれば外に置いて日に当てるのが一番ですが、家の中で育てるのであれば、窓際の日当たりの良い場所に置くようにしましょう。
そして、風通しの良さと雨が当たらない場所は、病気の発生に関わってきます。
トマトは、湿度が高かったり、雨が当たり続けたりすると病気にかかる確率が上がります。ですから、できるだけ屋根があって湿気の溜まらない場所が適しているのです。
屋根がある場所が無ければ、雨が当たらないように簡易的な雨よけハウスを建てるのも有効ですよ。次の章からは、トマトの苗の植え付け方法の説明に入っていきます。
プランターでのトマトの育て方【支柱の準備】
プランターの支柱は、植える株数で数が決まってきます。基本的に、丸型プランターの場合は1株、長方形型プランターの場合は2株が最適です。
先程このページで紹介したプランターを購入しているのであれば、支柱を固定するアームが付いているので、その場所に支柱を指せば問題ありません。
紹介したプランターの購入ページをもう一度貼っておきます。このプランターに関わらず、支柱は長くて丈夫なもの(長さ2m、直径2cmくらい)を選んでおきましょう。
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支柱の立て方
支柱はトマトを植える前に立てておきます。植えた後でも良いですが、植えてすぐに誘引する必要もあるので最初に立てておくのが良いでしょう。
1本だけ立ててもトマトの重さで倒れてしまう可能性があるので、3~4本立てて上で結んでテント型にしたり、市販の支柱を固定するものを購入したりしましょう。
ミニトマトの場合は、枝を2~3本同時に伸ばすのが一般的なので、支柱も伸ばす枝の数と同じ数だけ必要になります。
ここで注意点ですが、トマトはプランターの真ん中に植えます。なので、中心から10㎝ほどは空けて支柱を立てるようにすると良いでしょう。
プランターでのトマトの育て方【苗の植え付け方法】
プランターの設置場所が決まったら、苗の植え付け(定植)をしてトマトの世話を始めていきます。
その前に、トマトの苗はどのタイミングで植えるのが良いか知っていますか?
苗を植えるタイミングは決まっているので、適切なタイミングで植えられるように解説していきます。
苗を植えるタイミング
苗を植えるタイミングは、「1段目の花が咲き始めた時」がベストです。
これより早いと樹が育ちすぎて実がなりにくくなり、遅いと老化した苗になって元気がなくなってしまいます。
蕾が大きくなってきたら、植えるプランターの準備と毎日の花の観察を続けましょう。
苗の植え方
1段目の花が咲きかけてたらいよいよプランターに植えていきます。その際、次の手順で苗を植えます。
- 苗が植わっているポットにたっぷりと水をあげる(ポットの下から染み出るくらい)
- プランターの土にポット土がすっぽりはまるくらいの穴を掘る
- ポットごと逆さまにして苗を取り出す(根が切れないように注意)
- 掘っておいた穴に苗を植える(深く植えすぎない。ポットの土が少しはみ出るくらい)
- 周りの土を寄せて隙間を埋め、軽く抑える
- プランターにたっぷりと水をかけてポット土とプランターの土を馴染ませる
トマトの植え付けは手順通りに行えば難しくない作業です。
最初にポット土にたっぷりと水をあげることと、植えてからプランターにもたっぷりと水をあげることを忘れなければ大丈夫です。
植え付けができたらすぐにしなければならない作業があるので、次の章で詳しく解説していきます。
プランターでのトマトの育て方【植え付け後に優先して行う作業】
トマトの苗を植えたら、優先的にしなければならない作業があります。
優先する作業は次の3つです。最初に失敗しないよう、忘れず行いましょう。
- 支柱に誘引して苗が倒れないようにする
- 1段目の花に着果処理をする
- 植え付け後数日間は毎朝水をあげる
1.支柱に誘引する
植えたばかりのトマトの苗はまだ茎が細く、風で倒れると折れてしまう可能性があります。
せっかく植えた苗を守るために、植えたらすぐに支柱に誘引(茎を支柱に結び付けること)して固定しましょう。
誘引の方法については、次の章で説明をしているので確認してみてください。
2.1段目の花に着果処理をする
トマトを上手に育てるためには、最初にこの作業を必ずしなければなりません。1段目の実が付かないとその後も実が付きにくくなってしまうのです。
ミニトマトはしなくても上手く実が付くことも多いですが、大玉トマトは必須の作業です。
作業をするタイミングとしては、大玉トマトであれば、「1段目の花が3花以上開花した時」が適期になります。
中玉トマトとミニトマトも、5花以上開花したらやっておいて損はありません。
着果処理の方法については、「ホルモン処理」と「人工授粉」の2つがあります。2つについてまとめた記事があるので参照して着果処理をしてみてください。
3.植え付け後数日間は毎朝水をあげる
3つ目に、苗を植えた次の日から数日間は毎朝水をあげるようにしましょう。500㏄くらい、たっぷりあげるのがポイントです。
苗をプランターに植えてすぐは、まだポット土の根がプランターの土に伸びていない状態です。
トマトの根を早く張らせることができればその後の生育も安定してきます。なので、最初は水を多めにあげて根が伸びやすい環境にしてあげることが大切です。
1週間程続けると根が張ってきます。根が張ってきたら水の量を減らしていきましょう。
プランターでのトマトの育て方【その後の作業】
トマトは植えてからの作業が大変になってきます。生育スピードが早い植物なので、管理が遅れないようにしましょう。
具体的な9つの作業のやり方をまとめたので、これらの作業を覚えればトマトの育て方はバッチリです。
それぞれの作業頻度も書かれているので、トマトの栽培シーズンが終わるまでこれらの作業を繰り返し行いましょう。
1.水管理
野菜を育てる上で、必ず必要な作業が水をあげることですよね。トマトの水やりは基本的に朝に行いますが、トマトの水管理は少しコツが必要になります。
トマトには、「栄養成長」「生殖成長」という二つの成長があり、水と肥料の量によってどちらかに傾いてしまいます。つまり、水のあげすぎと不足には注意しなければならないのです。
こればかりは経験を積むしかありませんが、植えたばかりの頃はほんの少量でも問題ありません。トマトが1日で吸いきれる水の量がベストなので、観察をしながら覚えていきましょう。
大きく育ってきた真夏は、たっぷりと水をあげても吸いきってしまうので、朝のできるだけ早い時間に2~3リットルの水をあげると良いです。
栄養成長と生殖成長は、トマトを育てる上で重要な知識になるので、次の記事でしっかりと確認しておいてください。
2.脇芽とり
トマトの栽培中、最も基本的な作業が「脇芽とり」です。「脇芽かき」とも言いますね。作業頻度は、1週間に1回くらいです。
トマトは葉っぱと茎の間から脇芽と呼ばれる枝が生えてくるので、大きくなるまえに取り除く必要があるのです。
しかし、ミニトマトの場合は2本仕立てや3本仕立てという方法で育てられるのが一般的で、大きな脇芽を1~2本残して伸ばしていきます。
伸ばす脇芽は、成長の早い花の下の脇芽にしましょう。初めての人は脇芽を残すとしても1本にしておくと良いでしょう。
中玉トマトと大玉トマトは基本的に脇芽を取ってしまって大丈夫です。脇芽の見分け方と取り方については次の記事にまとめられています。
3.誘引
トマトが成長して茎が伸びてきたら、倒れないように支柱に誘引していく必要があります。作業頻度は、10日に1回くらいです。
誘引をするには、麻ひもで縛る方法と、誘引の道具を使う方法があります。誘引の道具は購入費がかかりますが、簡単に誘引することができますよ。
麻ひもで縛る場合は、固定したいところに近い花の下で支柱に結び付けます。この時、支柱と茎の間で8の字のようにクロスさせるようにしましょう。
また、トマトの茎は太くなっていくので、きつく縛ることが無いように、少し余裕をもって縛り付けます。
4.人工授粉
先程、1段目だけは確実に実を付ける必要があると説明しましたが、2段目以降も実の付きが悪ければ人工授粉をしていきましょう。作業は、1房の花が満開になるたびに行います。
トマトは花粉が風で飛んだり、虫が運んでくれたりすることで受粉して実が付いていきます。風がなく、虫もいない室内で育てる場合は特に人工授粉が重要になってきます。
大玉トマトは外で育てていても、ミニトマトや中玉トマトよりも実が付きにくいので、積極的に人工授粉をしましょう。
人工授粉の方法は、先程説明した通りです。次の記事も参考にしてみてください。
5.摘果
初心者がやりがちなミスとして、最初にたくさん実を付けてしまって後半樹が弱ってしまうということがあります。
後半の弱りを防ぎ、できるだけ大きな実をたくさん付け続けるために無駄な果実を減らす「摘果」という作業を行います。
ミニトマトは摘果しなくても問題ありませんが、中玉トマトは軽く摘果すると良いです。そして、大玉トマトは摘果が必須の作業になります。
大玉トマトの摘果は、低段(1~3段目)のうちは1房あたり2~3果に減らします。この際、果実がピンポン玉くらいの大きさになった時に摘果をすると不良な果実が目立ってくるので摘果しやすいです。
4段目以降も、できれば摘果の作業をすると長く収穫することが可能になります。これ以上に詳しい摘果の方法についてまとめた記事があるので、次の記事を参考に作業を進めてみてください。
6.収穫
苗を植えてから1ヶ月ほどたつとトマトに色が付いてきます。収穫までの期間は、ミニトマトが一番短く、大玉トマトが一番長くなるので、大きなトマトほど気長に待つ必要があります。
一見、もうすぐ赤くなりそうに見えてもそこからが長くかかるので、なかなか赤くならなくても心配しなくても大丈夫ですよ。
もし赤くならなくて心配でしら、次の記事を読んでなるべく早く赤くする方法を試してみてください。
収穫する色はお好みですが、真っ赤になるまで付けておくと樹にも負担がかかるので、少しピンク色が残るくらいでの収穫がベストです。
実は真っ赤なトマトよりも、その手前のトマトのほうが酸味が程よく残り、味が濃くて美味しいんですよ。
もし収穫した時の色にまだ青さが残っていれば、次の記事を読んで「追熟」で赤くさせてみてくださいね。
7.葉かき
トマトが収穫できるようになってきたら、不要な葉っぱを取り除く「葉かき」も同時に進めていくと良いです。葉かきをすることで、トマトが養分を効率よく使えるようになります。
葉かきのタイミングとしては、「1段目の果実が全て収穫されたら」になります。果実がなくなったら、それより下の葉っぱは必要なくなるので、1段目より下の葉っぱを取ってしまいます。
その他にも、葉っぱが多すぎて混み合っていると感じたら、邪魔な葉っぱを取るのも効果的です。下の葉かきは最終的に、3段目まで行えば十分でしょう。
葉かきの詳しい作業方法は次の記事にまとめられているので、参考にして作業をしてみてください。
8.追肥【おすすめの肥料も紹介】
プランターでトマトを育てる場合、購入した培養土を使っているので、最初の肥料はあまり考えなくても問題ありませんでした。
ですが、トマトが育っていくとだんだんと土の中の肥料がなくなっていくのです。
減った肥料を補充するために、肥料を追加する「追肥」と言う作業を行います。追肥のタイミングは、苗を植えてから20日~30日程経過した時になります。
追肥に使う肥料は様々ですが、基本的に「窒素」という成分が入ったものを使います。窒素は、トマトにとって成長するために必要なエネルギーになるのです。
最初はどんな肥料を使うと良いか迷うと思いますので、トマト農家の私がおすすめする肥料を紹介します。
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こちらの肥料「リッチトマト」は、トマト専用の肥料として販売されているため、トマトに必要な養分が含まれています。
追肥方法も、月に1回粒状の肥料を土の上に撒くだけで簡単なのでおすすめです。
他にも様々な肥料があり、液体のものもありますが、どれを使ったらいいのかよく分からない場合は「リッチトマト」1択で間違いありません。
9.病害虫対策
最後に病害虫対策ですが、家庭菜園ではなかなか農薬による消毒はできないので、目で観察して虫や病気がないか確認するしかありません。
虫を見つけた場合には、すぐに取って処理しましょう。病気かな?と思う症状があれば、なるべく早く病状で検索をかけて対策方法を実施することが大切です。
初心者でもこれらを実践すればプランターでトマトを育てられる
今回は、「初心者でも分かるプランターでのトマトの育て方」というコンセプトで、誰でも分かるように準備から植えた後の管理まで全て解説してきました。
プランターでのトマト栽培は、この記事で説明してきたことをそのまま実践すれば決して難しいことではありません。
私の説明した方法でトマトを育て続けていれば、いずれ自分の育て方が見つかるでしょう。
その時は、もっと良質なトマト栽培を目指して、どんどん自分なりの方法を試してみてください。
私のブログでは、トマトの育て方に関する記事の更新を続けているので、トマトの育て方に困ったらいつでも遊びに来てくださいね。