「トマトの花が咲いたのになぜか枯れて落ちてしまう」「実をつけるために何をしたらいいかわからない」
トマトの栽培中、上記のような悩みを抱えることは珍しくなく、家庭菜園でよくある問題の一つです。
本記事を読めば、トマトの花が落ちてしまう原因がはっきりし、対策を実施することで、花が落ちない樹に育て上げることができます。
花が落ちると収穫量が激減してしまうので、たくさんトマトを収穫するためにも、読み進めて参考にしてみてください。
- トマトの花が落ちる原因
- トマトの花落ち対策
- トマトの花を落とさないために1番重要なこと
- 僕は、トマトの大産地で収量上位10%に入るトマト農家です。
- 花を落とさず確実に実をつけて、これだけの収量を確保しています。
トマトの花が枯れて落ちる原因
トマトの花が枯れて落ちてしまう原因は様々で、育て方や育てている環境によって原因は異なります。
まずは、何が原因で花が落ちてしまっているのか、突き止めるところから始めましょう。
トマトの花が枯れて落ちる原因は、下記の通りです。
- 肥料(窒素)が多い
- 急な樹勢低下
- 日照不足
- 高温
- 低温
- 花と実が着きすぎている
- 水分不足による乾燥
- 水分過多による酸欠
- 根の病気で水や養分が吸えていない
- 受粉ができていない
こうして見てみると、トマトの花が落ちる原因って数が多くて判断が難しいですよね。
それぞれの原因について、もう少しわかりやすく解説していきます。
肥料(窒素)が多い
葉が大きく、茎が太く育っているのであれば、窒素が多すぎるサインです。
窒素が多すぎて樹が強く育ってしまうと、育ちすぎた葉や茎などに栄養が取られてしまい、花や果実に栄養が行き渡らず落ちてしまいます。
樹が育ちすぎていると感じたら、以下の記事を参考に、樹勢を抑えてみてください。
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また、窒素が多いと、異常茎という茎が裂ける症状が原因となって、花が落ちている可能性もあります。
異常茎についても、症状や対策をわかりやすくまとめた記事があるので、参考にしてみてください。
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急な樹勢低下
上記のように、樹勢が強いとトマトの花は落ちてしまいますが、急に樹勢が弱くなっても落花の原因となります。
樹勢低下は、樹勢が強くなったあとに起きやすいので、「樹勢が強かったのにいつの間にか弱くなってしまった」なんてことも。
日照不足
トマトは日光を好む植物なので、日照不足は致命的です。
日当たりが悪いと、光合成によって作られる栄養が足りず、栄養不足で花が落ちてしまいます。
日当たりの悪い場所に植えているか、天気の悪い日が続いているようなときに花が落ちるのであれば、日照不足が原因でしょう。
高温
トマトは夏の野菜ですが、実は30度を超えるような高温は苦手なんです。
35度以上になってくると、トマトにとっては花を咲かせているどころではないのでしょう。
トマトは、真夏に花が落ちることが多いですが、大体は高温が原因です。
低温
上記のように、トマトは高温が苦手といっても、夏の野菜なので低温も苦手です。
北海道はトマトの大産地ですが、寒いのでよく花が落ちるそうですね。
地域によって気温は変わりますが、春や秋の落花は、低温によって起きている可能性があります。
花と実が着きすぎている
トマトは、花と実が多くついているほど必要な栄養分も多くなります。
特に大玉トマトは摘果の作業が重要であり、実が着きすぎると新しい花に実が着きにくくなってしまうのです。
ミニトマトでも、あまりに多く実が着きすぎていると、花が落ちる原因になります。
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水分不足による乾燥
花が落ちるときに、周りの緑色のヘタになる部分が茶色く枯れているのなら、水分不足の可能性があります。
ヘタの部分が茶色く枯れるのは「ガク枯れ」といい、花が落ちる原因となります。
水分過多による酸欠
上記のように水分不足だと花は落ちてしまいますが、水分過多でも花が落ちる原因となります。
水分過多だと、土の中が酸欠状態となり、根の動きが止まってしまうのです。
根が動かなくなると、水や栄養が吸えなくなり、水が多いのに水が不足している状態になってしまいます。
結果、水分不足と同じような状態となり、花が落ちてしまうでしょう。
根の病気で水や養分が吸えていない
トマトの根が病気になり、水と養分を吸い上げる力が弱まったことで、花が落ちていることもあります。
根の病気は、地上部を見ただけではわかりにくく、株を抜いて初めて気付くことが多いです。
株を片付けるときに根が茶色くなっていたら、「褐色根腐病」という病気を疑いましょう。
受粉ができていない
トマトの樹の状態はいいのに、そもそも受粉できていなかったという場合です。
トマトが受粉するには、虫に花粉を運んでもらうか、風で花粉が飛ぶか、人工授粉するかの3方法があります。
虫が飛ばず、風もあまり入らないハウスの中で育てている場合、受粉ができずに花が落ちているのかもしれません。
花が落ちるときはとりあえず「トマトトーン」
上記のように、トマトの花が落ちてしまう原因は様々で、できる対策も幅広く、何から対処していいのか悩んでしまうことでしょう。
もし、何をしたらいいのかわからない時は、とりあえず「トマトトーン」を使ってください。
トマトトーンを使うことで、実が着く確率が上がり、花も落ちにくくなるでしょう。
使った方がいいというより、必ず使ってください。使い方や購入ページは、次の記事にまとめられています。
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トマトの花を落とさないための対策
トマトの花が落ちてしまうときは、先述したように、まずはトマトトーンを使いましょう。
トマトトーンの使用と同時に、下記のような対策を行うと、より花を落とさず実をつけやすくできます。
- 3段目までの強樹勢に注意する
- 不要な葉を取る
- 日の当たる場所に植える
- 寒いときは保温、暑いときは風通りをよくする
- 適度に水と肥料を与える
- 摘果をする
- 土壌消毒をする
3段目までの強樹勢に注意する
トマトの花は強樹勢のときに落ちてしまうので、常に樹勢の強さには気を配る必要があります。
特に、低段のうちは樹勢が強くなりやすいため、水や肥料の管理に気を付けましょう。
不要な葉を取る
強樹勢によって花が落ちているときは、葉を取ることで樹勢を落ち着かせることができます。
ですが、葉を取りすぎると今度は樹勢が弱りすぎてしまうことも。
以下の記事を参考に、適度に葉を取って減らしてみてください。
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日の当たる場所に植える
もし、日当たりの悪い場所に植えているのであれば、次に植える時は場所を変えて、日がよく当たる場所に植えてみましょう。
トマトは、日の出から日没までずっと日が当たるくらいじゃないと日照が足りません。
日当たりの悪いところから、日当たりの良いところに植える場所を変えるだけで、花が落ちなくなることだってあるんですよ。
寒いときは保温、暑いときは風通しを良くする
これはハウスで栽培している場合の対策になりますが、温度管理も重要です。
気温が10度を下回るような時期は花が落ちやすいので、ビニールで囲うなどして保温しましょう。
夏は無駄なビニールは撤去して、風通しを良くすることで高温が原因の花落ち対策になります。
適度な水と肥料
トマトは、水が多すぎても少なくても花が落ちる原因となるので、適度な水分管理が必要です。
また、肥料も同じように適度な量を与えなければ、樹勢が強すぎたり弱すぎたりして花が落ちます。
トマトの樹の様子を見ながら、水と肥料の不足と与えすぎに注意しましょう。
摘果をする
特に大玉トマトの場合、摘果をしないと着いている実の数が多すぎて、新しい実が着けられなくなります。
1~3段目までは3果ほど、4段目以降も多くて5果ほどにしましょう。
摘果の作業方法については、以下の記事を参考にしてみてください。
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土壌消毒をする
トマトの株を片付けるときに、根が茶色く変色していたら、病気で根の働きが悪くなっている可能性があります。
病気が発生した畑では、次作以降も発病する可能性が高く、花が落ちる慢性的な原因にもなります。
根の病気による花落ちを防ぐには、薬剤での土壌消毒や、太陽熱消毒で病気予防をするのが効果的です。
トマトの花を落とさないためには1段目が重要
ここまで、トマトの花が落ちてしまう原因と、落花させないための対策について紹介してきました。
様々な原因と対策がありましたが、花を落とさないために最も重要となるのは、1段目の花に実をつけることなんですよね。
トマトは1段目に実が着かないと、2段目以降も実が着かず花が落ちやすくなってしまうんです。
とにかく、1段目は確実に実をつけるためにトマトトーンを使って、今回紹介した花を落とさないための対策を実施してください。
1段目をしっかりと着果させ、花を落とさない対策を継続していけば、2段目以降も花が落ちにくい樹に育つはずです。
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まとめ【トマトの花落ちは生育バランスを取って改善】
トマトの花落ちは、主に生育バランスが乱れることで発生しやすくなります。
花落ちの原因は色々とありましたが、生育バランスを取るように対策すればいいと考えてください。
過不足ない水と肥料を与え、日が当たりやすい場所に植えておけば、おのずと花落ちも少なくなっていくでしょう。
色々と対策は紹介していきましたが、花が落ちるのを防ぐには、トマトが育ちやすい管理をするのが一番です。
最後に、本ブログ「もこっとおにぎり」では、トマト農家の私が、トマトに関する知識を詰め込んだ記事の更新を続けています。
家庭菜園で役立つ情報ばかりなので、トマト栽培で困ったことがあれば、いつでも遊びに来てください。