トマトの育て方

トマトに必要な肥料成分とは?【表記の見方やおすすめ商品も紹介】

トマト栽培に必要不可欠である肥料には、どんな成分が含まれていて、トマトにどんな効果をもたらすか知っていますか?

本記事では、トマトに使う肥料に含まれる成分の種類と成分表記の見方、そして各肥料成分がトマトに与える影響について解説していきます。

記事の後半には、トマト栽培に適している肥料の成分バランスとおすすめの肥料紹介についても書かれているので、肥料選びの参考にしてみてくださいね。

トマトに使う肥料の主な成分と表記の見方

トマト栽培に使う肥料には様々な成分が含まれており、大きく3つの要素に分類されます。

まずは、肥料にはどんな成分が含まれていて、商品の袋やパッケージにはどのように記載されているのかを見ていきましょう。

肥料の三要素(大量要素)

肥料に含まれている成分の中で、トマトだけでなく植物全般が最も多く必要とする3つの成分を「肥料の三要素」と言います。

その3つの成分は、「窒素・リン酸・カリウム」であり、一般的にはそれぞれを元素記号で「N・P・K」と言われたり記載されたりすることが多いです。

重要な三要素なので肥料商品には一番見やすく記載されていることが多く、窒素・リン酸・カリウムの順番で「○-○-○」とパーセンテージで表記されています。

例として、「10-8-15」と記載されている場合は、その肥料中に窒素が10%、リン酸が8%、カリウムが15%含まれているということになります。

中量要素

前述した肥料の三要素ほど多くは必要としませんが、トマトなど植物が比較的多く必要とする肥料成分が「中量要素」です。

中量要素は、「カルシウム・マグネシウム・硫黄」の3つの成分のことを指し、元素記号では「Ca・Mg・S」とそれぞれ表記されます。

肥料には、重要な成分である肥料の三要素はほとんどの場合配合されていますが、中量要素は入っている肥料もあれば、入っていない肥料もあります。

肥料に含まれている場合には肥料袋やパッケージの裏に成分表示がされており、カルシウムは「石灰」マグネシウムは「苦土」と別名で記載されていることもあるのでよく表示を読んでみましょう。

微量要素

トマトなど植物の体内に多く含まれている肥料の三要素に対し、その10分の1以下の量しか含まれていない成分を「微量要素」と言います。

トマトにも微量要素は少ししか必要ありませんが、良好な生育をするためには必須の成分です。

微量要素は「モリブデン(Mo)・銅(Cu)・亜鉛(Zn)・マンガン(Mn)・鉄(Fe)・ホウ素(B)・塩素(Cl)」の7つの成分のことを指し、こちらも商品の裏側に表示がされています。

ただし微量要素が全て含まれている肥料は少なく、基本的に肥料には微量要素自体が入っていないか、一部の成分のみ入っているかのどちらかでしょう。

肥料の各成分がトマトに与える効果

前章でトマト栽培に使う肥料にはどんな成分が含まれているのか解説してきたので、次は各成分がトマトにどんな影響を与えるのかを解説していきます。

トマトが多く必要とする肥料の三要素(窒素・リン酸・カリウム)は特に重要なので、1つずつ詳しく解説していきますね。

肥料成分のトマトへの影響①「窒素」

窒素は「葉肥(はごえ)」とも呼ばれ、トマトの葉っぱや茎など体を大きくする肥料成分です。

トマトの葉っぱが小さかったり、茎が細かったり、元気がないときは窒素不足が原因である可能性が高く、窒素が含まれている肥料を与えることで生育を良くすることができます。

ただし、窒素を与えすぎるとトマトの樹が大きく育ちすぎて、実がならない「樹ボケ」と呼ばれる状態になってしまいます。

トマト農家の僕も、窒素は不足させないように与え続けますが、決して与えすぎないように細心の注意を払っていますね。

肥料成分のトマトへの影響②「リン酸」

リン酸は「実肥(みごえ)」とも呼ばれ、トマトの花と実の付きを良くしてくれる肥料成分です。

トマト栽培でリン酸が不足してしまうと、花が上手く咲かない、咲いても実がつかないなどの障害が起きてしまいます。

リン酸は生育初期のトマトが多く必要とするため、トマトの苗を植える前の「元肥」には必ずリン酸が入った肥料を使用するようにしましょう。

元肥に入れておけば、あとはリン酸を大量に必要とすることはないため、リン酸よりも窒素やカリウムが多く必要となります。

肥料成分のトマトへの影響③「カリウム」

カリウムは「根肥(ねごえ)」と呼ばれ、トマトにとって最も重要な部分である根の発育を促進させます。

トマトはカリウムの必要量が非常に多く、同じ肥料の三要素である窒素の2倍程度与えると、収穫量が増えるという研究結果も出ているのです。

また、カリウムが不足するとトマトの「葉先枯れ」という生理障害が発生しやすくなり、葉先枯れは後に病気の原因となります。

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肥料成分のトマトへの影響④「中量要素」

中量要素の「カルシウム・マグネシウム・硫黄」は、トマトも比較的多く必要とする肥料成分なので、不足してしまうと様々な生理障害が発生します。

特にトマト栽培では、カルシウム不足による尻腐れと、マグネシウム不足による葉の黄化が発生しやすいです。

トマトの家庭菜園では果実が黒く腐ってしまう尻腐れの発生が多く、原因の多くがカルシウムの入っている肥料を使っていないことにあります。

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トマトの場合、硫黄の欠乏症は発生しにくくあまり気にしなくても問題ないので、カルシウムとマグネシウムは不足させないように肥料を与えなければなりません。

肥料成分のトマトへの影響⑤「微量要素」

微量要素はトマトが良好な生育をするために必要不可欠な成分ですが、肥料に少しだけ含まれていれば問題ありません。

逆に、微量要素を全く与えていないと必ず不足して生理障害が発生してしまいます。

僕の経験上、トマトはホウ素不足による果実の腐りや成長の停滞(芯止まり)がよく起きるので、ホウ素は定期的に与えるようにしていますね。

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どの肥料成分もトマトに与えすぎはNG

各肥料成分にはトマトを元気よく生育させるための役割があるため、できるだけ全ての成分を不足させないように肥料を与えなければなりません。

しかし、肥料成分が不足しなければいいというわけではないのです。

肥料の与えすぎもトマトにとっては害になってしまいます。

特に、トマトの樹を作る働きをする「窒素」は与えすぎると悪影響が強く、肥料の三要素だからといって大量に与えてはいけないのです。

前章で、肥料成分が不足すると欠乏症が出ると理解していただけたかと思いますが、肥料の与えすぎによる成分過剰にも注意が必要だと覚えておきましょう。

トマトに適した肥料の成分バランス

ここまで読み進めたことで、肥料成分の種類や、各成分の役割について理解できたと思いますが、実際トマトにはどんな肥料が合っているのかも知りたいですよね。

一言でいうと、「バランスが取れた肥料」が使いやすくてトマト栽培初心者にもおすすめですが、そのバランスが取れた肥料と判断するのも難しいところ。

なので、最初は肥料の三要素である「窒素・リン酸・カリウム」が大差なく含まれている肥料が、トマトに適した肥料だと考えると良いでしょう。

反対にNGなのは、窒素の含有量が多すぎる肥料です。

窒素が多い肥料は使い方によっては役立ちますが、慣れていないうちに使いこなすのは難しいため、できるだけ避けた方がいいです。

肥料の三要素がバランスよく含まれ、できれば「カルシウム配合」「微量要素配合」と書かれている肥料が、使いやすくてトマトに適している肥料だと言えます。

トマト栽培にぴったり!【成分バランスが良いおすすめ肥料】

トマト栽培に適した成分バランスの取れた肥料がわからないという方は、まず「トマトの肥料」という商品を使ってみてください。

その名の通り、トマト栽培のために作られた肥料であり、肥料の三要素がバランスよく含まれています。

さらに、不足すると生理障害が出やすいカルシウムや微量要素も配合されているため、これ一つあればトマトが必要とする肥料成分をほとんど補填できます。

もちろん全ての肥料成分を完璧に与えるためにはこの肥料だけでは不十分ですが、肥料選びに迷っているのであれば間違いなく効果を発揮する「トマトの肥料」がおすすめですよ。

他にも、生育状況に合わせて使い分けができるおすすめの肥料を下記の記事で紹介しているので、もっと肥料についての理解を深めたい方は読んでみてくださいね。

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まとめ【トマトには成分が偏らないように肥料を与えよう】

トマトが元気に育つために必要とする肥料成分は種類が多く、一つの肥料だけで完璧に成分バランスを取ることは難しいでしょう。

トマト農家の僕自身も、全ての肥料成分を満遍なく与えらえれているわけではないんです。

その代わり、一つの成分だけが多すぎたり少なすぎたり、成分の偏りが出ないようには注意をしています。

特に、一番重要な肥料成分である肥料の三要素だけは、バランスをしっかりとるようにするのがポイントです。

本記事を読み終えたあなたも、おすすめした商品「トマトの肥料」のように、最低限肥料の三要素はバランスが取れている肥料を使うようにしてみてくださいね。

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