ミニトマトの品種『アイコ』をご存じですか?
スーパーにも並ぶ身近な品種であり、家庭菜園にもおすすめで人気も高いです。
「家庭菜園におすすめの品種を知りたい」
「アイコを育てたいから育て方を知りたい」
という方に向けて、アイコの魅力ある特徴と育て方についてまとめてみました。
美味しいトマトに興味のある方はぜひ読み進めてみてください。
- アイコの特徴
- アイコの育て方
- アイコの美味しい食べ方
- 私はトマト農家であり、トマトに関する知識を元に、育て方のアドバイスなどを書いています
『アイコ』は人気の高い定番ミニトマト
アイコは、種苗会社「サカタのタネ」が2004年に開発した品種のミニトマトです。
登場してからは人気が広まり、今ではスーパーで1年中見かける定番のミニトマトとなっています。
名前の知名度も広くて苗の販売量も多く、比較的育てやすいため、家庭菜園でも人気の品種です。
また、その育てやすさから初心者にもピッタリの品種なので、初めてトマトを育てるという方は、アイコから育ててみるのもおすすめですよ。
ミニトマト『アイコ』の特徴
なぜアイコはミニトマトの中でも人気が高く、家庭菜園でもよく育てられているのか知っていますか?
それは、アイコが持つ特徴にあります。
ここからは、アイコの味や栄養といった果実の特徴と、病気の抵抗性や育てやすさなど、生育の特徴に分けて解説していきます。
アイコの果実の特徴
アイコの果実には、次のような特徴があります。
- 果形は縦長のプラム形
- 酸度が少なく糖度が高い
- 肉厚でゼリー部分が少ない
- 丸玉ミニトマトの2倍のリコピンを含む
- うま味成分量が多く、生食だけでなく加熱調理などにも向いている
縦長の果実で、丸いミニトマトと比べて2倍のリコピンが含まれています。
リコピンには、抗がん作用や美容効果といった健康に良い効果があり、近年注目されている栄養素なんですよ。
リコピンの詳しい効能や、リコピン以外のトマトに含まれる栄養については次の記事でまとめられています。
トマトに含まれる栄養と効果・効能【食べると得ばかりの野菜だった】
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アイコの特徴は、リコピンの含有量だけではありません。糖度の高さも自慢です。
酸度は低く、より甘さが際立つので、そのまま食べてもフルーツ感覚で美味しく頂けます。
トマトはうま味成分の宝庫ですが、アイコは特にうま味成分を持っているので、加熱や加工など、調理して食べても美味しいですよ。
トマトのうま味成分については、次の記事で詳しく解説されています。
トマトに含まれるうま味成分は野菜の中でトップクラス!
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アイコの生育の特徴
アイコを育てる際に重要となる、生育の特徴は次の通りです。
- 裂果が少ない
- 実のつきが良い
- ヘタが外れにくい
- ややおとなしい樹勢
- 育てやすく、家庭菜園に適している
- ダブル花房になりやすい(収量が多い)
- 節間が伸びやすく、思ったより背が高くなる
- 病気に強い(萎凋病、トマトモザイクウイルス、葉かび病、斑点病)
家庭菜園では果実が割れてしまう裂果が厄介ですが、アイコは裂果の数が非常に少ないです。
また、樹勢はおとなしめですが弱すぎず、樹が強くなりすぎる心配もありません。
強い耐病性、実のつきの良さ、ダブル花房の多さにより、育てやすくて収量も確保できるので、初心者でも安心です。
プランターしか育てる場所がなかったり、あまり手がかけられなかったりする人でも問題なく育てられるので、家庭菜園にも適していますよ。
しかし、節間が伸びやすく、想像以上に大きくなる可能性があるので、育てるスペースには注意しましょう。
ミニトマト『アイコ』の育て方
アイコの特徴が理解できたところで、ここからは特徴を踏まえた育て方を解説していきます。
アイコは育てやすい品種ですが、実践するとよりたくさん収穫できるようになるポイントを4つ紹介するので、参考にしてみてくださいね。
アイコの育て方① 種から育てるより苗を購入する
家庭菜園でアイコを育てる場合は、種を購入して蒔くより、ある程度育った苗の購入をおすすめします。
種からの育苗は難しく、慣れていないと失敗する可能性が高いです。
アイコは人気のミニトマトなので、シーズンになれば必ず苗が販売されるでしょう。
苗は必ず購入できるので、無理に種から育てるより、良質な苗を購入して植えるようにしましょう。
良質なトマトの苗の選び方は、次の記事を参考にしてください。
良質なトマトの苗の選び方【必ず接ぎ木苗を選ぼう】
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アイコの育て方② 水と肥料を不足させず樹勢を維持する
アイコは実のつきが良いので、多くの果実を大きくするために十分な水と肥料を与える必要があります。
また、樹勢もおとなしめなので、栄養が不足すると弱りやすい点に注意が必要です。
栄養過剰により樹が暴れることにはなりにくいので、弱る前に追肥をするなどして樹勢を維持してみましょう。
アイコの育て方③ 節間が伸びるため誘因を工夫する
アイコの節間は長くなりやすく、かなりの高さに成長するので、支柱の高さを超えることもあります。
長く収穫したいのであれば、長く伸びても誘引できるように、斜めに誘引したり、吊り下げたりしてみてください。
トマトは大きくなると人の身長はあっという間に越すくらい伸びるので、植える前に誘引する支柱と場所を確保しておくと良いです。
アイコの育て方④ 収穫は完熟してから
トマトは完熟するまで樹につけておくと、裂果したり、重みで果実が落ちてしまったりすることがあります。
しかし、アイコなら裂果に強く、ヘタが取れにくくて落下もしないので、完熟してからの収穫がしやすくなるのです。
完熟させた方が酸味が落ち、甘味が際立つので、できるだけ完熟した美味しい状態で収穫してみてくださいね。
ただ、柔らかくて味もいまいちな過熟状態にならないように、収穫の遅れには気を付けましょう。
次の章では、完熟で収穫したアイコの美味しい食べ方を紹介しているので、ぜひこのまま読み進めてみてください。
ミニトマト『アイコ』の美味しい食べ方
ここからは、収穫したアイコを美味しく食べられる方法を3つ紹介します。
アイコの美味しい食べ方① 生食(サラダ、お弁当など)
アイコは糖度が高く酸味は少ないので、そのまま生で食べるとトマト本来の美味しさを味わうことができます。
果肉が分厚く、ゼリー部分は少ないので、トマトのゼリー部分が苦手な人でも食べやすく感じるでしょう。
サラダや料理の付け合わせ、お弁当などには持ってこいのミニトマトですよ。
アイコの美味しい食べかた② 加熱調理
アイコにはうま味成分が多く含まれ、加熱調理することでさらにうま味が引き出されます。
アイコを使ったスープやソースなど、調理方法はたくさんあるので、自分なりの調理をして食べてみてくださいね。
トマトは料理によく使われてきた野菜でもあるので、うま味成分の多いアイコは、さらに料理の味に深みを与えてくれるでしょう。
アイコの美味しい食べ方③ 長持ちさせるにはドライトマト
トマトは割れた部分から腐ってしまうことが良くありますが、アイコは裂果しにくいので日持ちします。
ただ、もっと長持ちさせるにはドライトマトもおすすめです。
生食でも美味しく食べられるアイコなら、ドライトマトにしても美味しさは保たれます。
美味しいアイコを長く楽しみたい方は、ドライトマトにもチャレンジしてみてくださいね。
アイコには「イエロー」と「オレンジ」もある
ここまでは、「赤いアイコ」について特徴と育て方、美味しい食べ方について説明してきました。
実は、他にも「イエローアイコ」と「オレンジアイコ」もあるんですよ。
その名の通り、黄色とオレンジ色の果実が実るアイコです。
見た目だけでなく、味や生育にも少し違いがあるので、3種類のアイコを育てて味や生育の違いを比べてみるのも面白いですよ。
まとめ【アイコは家庭菜園にもおすすめな大人気品種】
アイコは育てやすく、食味も良いため、家庭菜園にはうってつけのミニトマトです。
スーパーに並んでいるミニトマトの中にもアイコはよく見られ、身近にある人気な品種でもあります。
今回紹介した育てるポイントを実践すれば、トマト栽培初心者の方でも立派なトマトを収穫することができるでしょう。
家庭菜園で育てる品種に迷っている方や、とにかく美味しいトマトを食べてみたい方は、ぜひアイコを育てたり買って食べたりしてみてくださいね。
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