家庭菜園で育てたトマトの皮が硬いのは、よくあることです。
スーパーに並んでいる、農家が作ったトマトとは違いがあります。
この記事を読めば、トマトの皮が硬くなってしまう原因と、柔らかく育てる方法を知ることができます。
農家が育てるトマトに近付けるために、原因をはっきりさせて、今回紹介する方法を実践してみてください。
- トマトの皮が硬くなる原因
- トマトの皮を柔らかく育てる方法
- 筆者は、農業の専門学校を首席で卒業後、トマトの大産地で就農
- トマトの栽培面積・収量共に、産地内で上位10%に入る
- トマト栽培で得た知識と技術を発信中
家庭菜園で育てたトマトの皮が硬い原因
家庭菜園で育てるトマトの皮が硬くなるのは、以下のような理由があります。
- 皮が硬い品種を育てている
- 上手く生育できていない
- 与える水の量が少ない
- 気温が低い
家庭菜園では、上記の4つの原因に当てはまってしまうことが多く、トマトの皮が硬くなってしまいます。
1つずつ順に解説していきますね。
皮が硬い品種を育てている
家庭菜園で育てるトマトの皮が固いのは、「そもそも皮が硬くなる品種を育てていた」ということがよくあるのです。
スーパーに並んでいるトマトは皮が柔らかくて裂果しやすい品種が多く、雨が当たるとすぐに割れてしまいます。
そのため、ハウスを使わない家庭菜園では、あまり育てられることはありません。
柔らかい品種を育てるには、簡易的な雨よけハウスが必要になります。
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上手く生育できていない(肥料不足)
トマトは順調に生育できていると、皮が薄く柔らかくなったり、樹自体が柔らかく育ったりします。
反対に、肥料や水、日射量などが不足していると、生育スピードが落ちて、果実や樹が硬くなるのです。
家庭菜園では、栽培途中の追肥が足りていないことが多く、肥料不足から生育の不調に繋がっていることが多いです。
肥料不足で上手く生育できていないので、結果的に果実の皮も硬くなってしまっています。
与える水の量が少ない
トマトは、水を多くあげて育てるほど、果実が大きく肥大していきます。
反対に、水が少なすぎるとあまり大きくならず、ぎゅっと締まったような、皮が硬い小さな果実になるのです。
家庭菜園では、ハウスを使わない露地栽培が基本なので、雨に頼ってあまり水を与えない人も多いかと思います。
水の量が少なくて皮が硬くなるのも、家庭菜園でよくある原因です。
気温が低い
トマトは、低温にあたることでもストレスを受け、皮を硬くしてしまいます。
特に、栽培終盤の秋に、低温が原因で皮が硬くなりやすくいです。
トマト農家は、気温が低くなってくると、ハウスをビニールで囲って保温をします。
家庭菜園では、ハウスを使わず保温もしないことが多いので、気温が下がる秋に皮が硬くなりやすいのです。
【家庭菜園でもできる】トマトの皮を硬くしない育て方
「今まで家庭菜園では、皮の硬いトマトしか育てられなかった」という方も諦めないでください。
トマトは育て方を変えると、皮が柔らかく育つようになります。
皮を硬くしない具体的な方法は、以下の通りです。
- 皮が薄くて柔らかい品種を育てる
- 与える水の量を増やす
- 肥料を適度に追加する
- 摘果をして果実を肥大させる
- 簡易ハウスを建てて、秋に保温する
それぞれ順に解説していきます。
皮が薄くて柔らかい品種を育てる
まず最初に、今まで育てていた品種は何か確認してみてください。
毎年同じ品種を育てて皮が硬くなってしまっているのなら、元々皮が厚い品種なのかもしれません。
皮が柔らかく育つ品種を紹介するので、参考にして育ててみてください。
なお、柔らかい品種を育てるには、雨よけハウスが必要になるので、簡易的なハウスを建てると良いでしょう。
- プチぷよ(ミニトマト)
- フルティカ(中玉トマト)
- ホーム桃太郎(大玉トマト)
与える水の量を増やす
露地栽培をしていても、雨だけでなく、自分でも水をあげるようにしてみましょう。
育てている環境によっても変わりますが、雨が少なく晴天日が続くようであれば、毎朝水をあげてみてもいいかもしれません。
プランター栽培の場合は土が乾きやすいので、必ず毎朝1回は水をあげる必要があります。
あげる水の量は、栽培していく中で、自分の畑に合ったベストな量を見つけていきましょう。
肥料を適度に追加する
家庭菜園では、栽培中盤からの肥料不足によって、生育が悪くなることが多いです。
生育が悪くなると、皮も硬くなってしまうので、肥料切れには十分注意しましょう。
トマト用の追肥資材なども販売されているので、どれを使っていいかわからない場合にはトマト用のものを利用してみてください。
「リッチトマト」なんかが安価で効果も期待できるのでおすすめですね。トマト農家の私のおすすめなので間違いありません。
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摘果をして果実を肥大させる
大玉トマト・中玉トマトを栽培している場合は、摘果をすることで皮が柔らかくなります。
摘果に皮を柔らかくする効果があるというより、「摘果によって大きく肥大するため」皮が柔らかくなるのです。
果実を多くつけすぎると、トマトの樹に負担がかかり、実が硬く小さくなります。
数を減らすと勿体無く感じるかもしれませんが、1果が大きくなるので、収量はあまり変わりませんよ。
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簡易ハウスを建てて秋に保温する
簡易ハウスを建てることができるのであれば、保温の効果で、低温によって皮が硬くなるのを防ぐことができます。
秋は夜温が低いので、保温をしないとトマトにとっては厳しい季節です。
簡易ハウスがあれば、ビニールで囲うだけで簡単に保温ができますよ。
皮が固くならない品種の家庭菜園は難しい
先述したように、家庭菜園でよく育てられている品種は、皮が厚くて硬くなるものが多いです。
そのため、皮が硬くならないように育てるには、品種を変えるのが一番の策でもあります。
しかし、皮が薄くて柔らかい品種は、裂果が多かったり、雨よけハウスが必要だったりと、育てるのが難しくなります。
まだトマトを上手く育てる自信がないという方は、まずは育てやすいと言われている品種を育ててみてから、柔らかい品種に挑戦してみると良いでしょう。
皮が硬いトマトは甘い
トマトは、甘く育てようと思うと、どうしても皮が固くなってしまいます。
トマトの皮が硬くなる原因の一つに、「水の量が少ない」とありましたが、水を減らすと硬くて甘いトマトが育つのです。
甘くて柔らかいトマトはプロの農家でもなかなか育てることはできません。
硬くて食べにくいと思っていたトマトも、よく味わってみると、味が濃くて触感以外は美味しいく感じませんか?
皮が硬いトマトは、味は十分に乗っていることが多いので、皮を剥いて食べると絶品ですよ。
まとめ【家庭菜園でも皮が柔らかいトマトは作れる】
今回は、家庭菜園でも皮が硬くならず、柔らかく育てる方法を紹介してきました。
ここまでの振り返りと、実践する優先順位についてまとめると以下の通りになります。
- まずは柔らかい品種を選ぶ
- 水を不足させない
- 肥料を不足させない
- 摘果を適度に行う
- ハウスを建てて秋に保温
上記の方法を実践すると、今までの皮が硬いトマトが、嘘のように柔らかくなります。
初めは水や肥料の管理は難しいと思うので、品種の選定から初めてみることをおすすめします。
トマト栽培に慣れてきたら、今回紹介した方法を実践してみてください。
最後に、このブログ「もこっとおにぎり」では、トマト農家の私が、トマトに関する知識や技術を詰め込んだ記事を更新しています。