形の悪いトマト「空洞果」ばかりが実って悩んでいませんか?
空洞果の発生はトマトの生理現象であり、原因が分かっていて対策もできるのです。
空洞果のトマトは切った時に中がすかすかで、もっと中身の詰まったトマトを育てたいと思いますよね。
この記事では、空洞果に悩むあなたのために、次の3つについてまとめています。
- トマトの中が空洞になる理由
- 空洞果が発生する原因
- 空洞果を減らす対策
丸くて形の良い美味しいトマトをたくさん収穫するために、この記事を読み進めて参考にしてみてください。
トマト農家である私の栽培知識が詰まっていますよ!
トマトの中が空洞になる理由
最初に、トマトの中が空洞になってしまう理由を説明します。
トマトの中のゼリー状の部分が充実しないから
形の悪い空洞果のトマトを切ってみると、中のゼリー部分が少なく、本来ゼリーで満たされている場所が空洞になっているはずです。
元々ゼリー部分が少ない品種もありますが、流通量が最も多い「桃太郎系」の品種はゼリーが多いのが特徴です。
空洞果とは、ただ形が悪くなっているのではなく、トマトの中身が不足している状態ということになります。
ゼリー部分はトマトの酸味を出したり、味を濃くするために必要な部分なので、空洞果は食味も劣っていることがあります。
トマトの空洞果が発生する原因
続いて、トマトの空洞果が発生する原因を4つ紹介します。
原因は様々ですが、その原因をたどっていくと次の2つが関係しています。
- 栄養が不足している
- 果実の成長が早すぎる
何が原因となってこの2つの状態になっているのか、自分のトマトと照らし合わせて見てみてください。
空洞果の原因① トマトの樹が育ちすぎている
トマトの茎が太く、葉っぱが大きい、いわゆる「樹勢が強い」状態だと空洞果の発生が多くなります。
トマトの樹ばかりに栄養が送られてしまい、果実には栄養が足りなくなってしまうからです。
樹勢が強くなるのは、肥料や水の量が多いサインでもあります。
樹勢が強い時に元に戻す方法と、樹勢のバランスを取る方法は下記の記事をご覧ください。
➡樹勢のバランスを取る方法【栄養成長と生殖成長のバランスの取り方】
空洞果の原因② 日射量不足
トマトは光合成によって栄養を作り出し、その栄養を全身に送り届けています。
光合成に必要な日光が十分に無いと、光合成で作られる栄養が少なくなって不足してしまうのです。
また、トマトは温度が高い所に栄養を多く運ぶ性質があります。
日が当たらないと果実の温度も上がらないので、果実に運ばれる栄養の割合が少なくなり、中身の発達不良に繋がります。
空洞果の原因③ 低温や高温にあたった
空洞果は、果実と樹の成長スピードのずれも原因になって発生します。
成長スピードがずれると、花粉がうまく出なかったり、果実の肥大が早すぎるなど、様々な症状が出ます。
低温や高温にあたると、このような成長のずれが生ずるのです。
このずれで花の質が悪くなると、着果不良となり、形の悪い空洞果になります。
空洞果の原因④ ホルモン処理の濃度とタイミングの誤り
花にかけてトマトがなりやすくするホルモン剤(トマトトーン)の使い方を間違えると空洞果が発生しやすくなります。
トマトトーンを正しく使うとほぼ確実に果実が実り、果実の肥大速度も通常より早くなります。
しかし、濃度が濃すぎたり、高温時に処理したりすると、果実の成長速度が早くなりすぎてしまうのです。
ですが、トマトトーンは正しく使えばとても便利なものなので、次の記事を参考に使い方を覚えてみてください。
トマトの空洞果を減らす対策
空洞果の発生には様々な原因がありますが、その全ての対策をするのは難しいです。
日射量や気温を変えるなんてことは私たちにはできないので、次の2つを意識して対策するようにしましょう。
- 樹勢の調節
- 着果処理(トマトトーン)の改善
特に、トマトトーンを使って実を付けている方は、次の対策方法を読んで正しく使えているか確認してみてください。
空洞果対策① 樹勢をバランスよく保つ
強樹勢による空洞果を減らすために、次の2記事を参考にしながら樹勢のバランスを保つことを意識しましょう。
➡樹勢のバランスを取る方法【栄養成長と生殖成長のバランスの取り方】
特に、植えてすぐの低段(1~3段)では、樹勢が強くなりやすいので、水と肥料の量に気を付けて管理する必要があります。
1段目の花に確実に実を付けることも大切なので、トマトトーンの使用も樹勢のバランスを取るためには有効です。
空洞果対策② 振動受粉をする
花粉が上手くでなかったり、トマトトーンの間違った使い方によって空洞果など不良果が発生します。
そんな時は、人が上手く受粉できるようなお手伝いをしてあげましょう。
方法としては、トマトの花が満開になったら指で優しく揺らしてあげるだけです。
たったこれだけで受粉させることができますが、まだ実が付いていない房は折れやすいので、折れないように優しく触るようにします。
空洞果対策③ トマトトーンの使用は時期と濃度を守る
トマトトーンを使用している方は、正しく使えているか、まずは確認してみましょう。
トマトトーンの使用は高温時を避ける
トマトトーンを使って実を付けるのであれば、30度を超えるような高温時の使用は避けましょう。
高温時にトマトトーンを使うと、上手く着果しない着果不良が起きることがあり、空洞果以外の害が出ることがあります。
夏の高温時を避けるために夕方に散布しようとすると、花がしぼんで閉じているので、できるだけ午前中の散布をおすすめします。
トマトトーンの希釈倍率は正しく
トマトトーンには、正しい希釈倍率が記載されています。
濃い濃度で使うと果実が大きくなりやすいですが、空洞果も発生しやすくなります。
夏場の使用では、100倍を上限として、それ以上濃い濃度で使わないようにしましょう。
空洞果対策④ トマトトーンにジベレリンを加える
トマトトーンに、肥大促進効果のある「ジベレリン」という物質を加えて使うと、空洞果の発生数が減少します。
ジベレリンを混ぜることで発生するデメリットはなく、空洞果に悩んでいる方にはおすすめの方法です。
ただ、トマトトーンとは別に購入して混ぜるため、費用と手間がかかる点は注意が必要です。
Amazonと楽天の購入できるリンクを載せておくので、価格や詳細などの確認に利用してください。
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【最後に】トマトの空洞果の原因を理解して対策しよう
トマトの空洞果が発生する原因は理解していただけたでしょうか?
日射量や気温を操ることはできませんが、今回紹介した対策をすると空洞果は減少していきます。
丸くて美味しいトマトを収穫するために、この記事を参考にトマト栽培に励んでみてください。
<最後に、トマト栽培に役立つ記事もご覧ください>