ミニトマトの育て方で、脇芽を取らない栽培方法を聞いたことはありますか?
➡脇芽がよくわからない方は、次の記事を先に読んでみてください。 トマトの脇芽とは何か、どこから生えるのかご存じですか? トマトを栽培するなら必ず「脇芽」について理解しなければなりません。 この記事を読むと、脇芽に関して全くわからないトマト栽培初心者の方でも脇芽とは ... 続きを見る
トマトの脇芽とは?初心者でも失敗しない脇芽の取り方
大玉トマトの栽培では脇芽は取るのが基本ですが、ミニトマトでは数本は取らない方が良いこともあるのです。
ミニトマトの脇芽を全て取ってしまうのは正直、非常に勿体無いことをしています。
この記事で解説している、正しい脇芽の取り方を実践することで、趣味の家庭菜園でも今より2倍のトマト収穫できるようになります。
ミニトマトの脇芽を全て取ってしまっているのであれば、まずはこの記事を読み進めて、ミニトマトの育て方を見直してみてくださいね。
- 残す脇芽の適切な本数
- 伸ばす脇芽の選び方
- 伸ばしてはいけない脇芽
- 脇芽の誘引の注意点
- 私はトマト農家であり、持っているトマトの知識を活かしてこの記事を書いています
- ミニトマトの脇芽を伸ばした栽培を行ったことがあります
ミニトマトの育て方【収量を増やすには脇芽を全部取らない】
大玉トマトの栽培は、基本的に伸びてきた脇芽を全て取り除きます。
ですが、ミニトマトは脇芽を数本取らないで残しておき、伸ばした脇芽にもトマトをつけて収量を増やす栽培方法が一般的です。
大玉トマトは実が大きく、脇芽を伸ばす余裕がありませんが、ミニトマトは実が小さいため、脇芽を伸ばすことが可能なのです。
しかし、脇芽を伸ばすと収量が増えるからといって全く脇芽を取らずにいると、無駄な栄養を消費してしまって、全くトマトが収穫できない状況に陥る可能性もあります。
つまり、ミニトマトは、「脇芽を残すことで収量が増えるが、不要な脇芽は取り除く必要がある」が正しい育て方ということですね。
ミニトマトの育て方【適切な脇芽の本数】
ミニトマトは「脇芽を伸ばすと収量が増えるが、伸ばしすぎると逆効果」と説明しました。
ここからは、脇芽は何本伸ばせば良いのか、脇芽を伸ばしすぎるとどうなるのか、の2点について解説していきます。
ミニトマトは2本仕立てが一般的
家庭菜園では、脇芽を1本だけ伸ばし、主枝と合わせて2本で育てる方法(2本仕立て)が一般的です。
私も、慣れてくるまでは2本仕立てで育てることを強くおすすめします。
なぜなら、伸ばす脇芽の本数が増えれば増えるほど育てるのが難しくなるからです。
2本仕立てなら、脇芽を伸ばさない1本仕立てよりも収量が期待でき、育てやすいので初心者でも安心ですよ。
また、品種によっては推奨する本数が違うこともあるので、育てる品種を調べてみると適切な枝の本数がわかるかもしれません。
脇芽を伸ばしすぎるとどうなるのか
脇芽の本数を増やして3~4本の枝数で育てることも可能ですが、ある程度経験がないとなかなか上手くは育てられないでしょう。
難しい方法ですが、3本仕立て以上になると収量もさらに増えるので、ミニトマトを上手く育てられるようになってきたら挑戦してみるのも面白いです。
ですが、むやみやたらに脇芽を伸ばしてしまうのは逆効果です。トマトに次のような悪影響を与えてしまいます。
- 樹が弱る
- 上手く実が付かない
- 実がなかなか赤くならない
- ミニトマトがミニミニトマトになる
枝が増えすぎると、水や肥料が大量に必要になり、すぐに栄養不足になってしまいます。
すると樹が弱り、いずれは実が付かなくなってしまうでしょう。
実が付いたとしても、なかなか赤くならずに収穫ができなかったり、実が大きくならず、ミニトマトがもっとミニサイズになったりすることも。
必要な脇芽だけを残せば収量が増えますが、脇芽を残しすぎてしまうとこのような症状が出て、結局収穫できなくなってしまいます。
脇芽を伸ばすとしたら、多くても2~3本に絞って、不要なものは必ず取り除くようにしましょう。
ミニトマトの育て方【どの脇芽を残して伸ばすと良いか】
ミニトマトは、適切な脇芽を伸ばして育てるのが一般的と理解していただけたと思いますが、伸ばす脇芽を間違えてはいけません。
上の写真に写っているような、「花のすぐ下に生える勢いのある脇芽」を残して伸ばしてください。1段目の花の下がおすすめです。
もし、1段目の花の下にある脇芽を取ってしまったのなら、2段目の花の下から脇芽が生えてくるのを待ちましょう。
勢いのある脇芽を伸ばさないと、なかなか大きくならなかったり、小さなトマトしかならなかったりします。
脇芽を1本伸ばす場合は花の下の脇芽を伸ばし、2本伸ばす場合は、さらに1つ下の脇芽を伸ばすと良いでしょう。
しかし、脇芽を伸ばすときに注意することがあるので、次に解説します。
台木の脇芽は伸ばさない
苗を買ったときに接ぎ木苗を選んでいるのならば、地際に切ってくっつけた跡があり、その下から勢いのある脇芽が出てくるはずです。
土に近い所から生えてくる大きな脇芽は伸ばさずに取ってしまいましょう。トマトがならない台木の脇芽です。
勢いがあって大きいからといって伸ばしていても、トマトが実ることはありません。
必ず花の下から生えているものを選んで伸ばすようにしていれば、間違った脇芽を伸ばす失敗はしませんよ。
ミニトマトの育て方【脇芽の誘引の注意点】
大玉トマトなど1本仕立てで育てる場合は、1本の支柱に縛り付けていくだけでの誘引でしたが、脇芽を伸ばすと少し変わります。
まず、伸ばす枝の数だけ支柱を用意する必要がありますね。脇芽を1本伸ばして合計2本の枝にするなら2本の支柱が必要です。
脇芽の誘引は、初めは軽く固定し、大きくなるまでは無理に誘引しないようにしましょう。
脇芽取りをしているとわかると思いますが、トマトの脇芽は根元でポキっと折れやすくなっています。
せっかく伸びてきた脇芽を折ってしまうことがないように、余裕をもって誘引できる長さになるまでは、軽く固定する程度にしておくのがコツです。
✅もし脇芽が折れてしまっても、次の章で紹介する方法で大きく育てることができるかもしれませんよ。
取った脇芽は土に挿して育てられる
大きめの脇芽を取ったり、伸ばすつもりの脇芽が折れてしまったりしたら、そのまま土に挿すと根が張って育つ可能性があります。
「挿し木」といい、生命力の強いトマトだからできる方法です。
大きすぎる脇芽だと根が張らないことも多いので、15~20cmの脇芽を挿すのがベストです。
一度根が張ってしまえば、普通の苗を植えたのと同じように成長していき、花が咲いてトマトが実ります。
脇芽を挿して収穫できるようになるまでは時間がかかりますが、簡単に株数を増やす方法として覚えておくと役立ちますよ。
まとめ【ミニトマトは脇芽を残して収量アップ!】
ミニトマトは脇芽を全部取らずに残すことで、トマトがなる枝が増えて収量が増加します。
脇芽を伸ばして確実に収量を増やすには、ここまで解説してきた次の4つのポイントに気を付けながら育てましょう。
- 基本は2本仕立て
- 伸ばす脇芽以外は全て取り除く
- 花の下の勢いがある脇芽を伸ばす
- 品種ごとの推奨仕立て本数を調べておく
この4点を守って脇芽を伸ばせば、ミニトマトの収量を2倍に増やすことだって可能です。
家庭菜園で初めてミニトマトを育てる方は2本から初めて、慣れてきたら3本、4本と増やしてみてくださいね。
このブログ「もこっとおにぎり」では、トマト農家の私が、トマトに関する情報を日々更新しています。
トマトの育て方の記事もどんどん更新していくので、困ったことがあればいつでもまた遊びに来てくださいね。