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夏秋トマトとは?【読み方・産地・栽培時期が全てわかる記事】

夏秋トマトというトマトを見かけて、「普通のトマトと何が違うんだろう」と思ったことはありませんか?

夏秋トマトとは何か知っている方も、産地や栽培時期については知らないのではないでしょうか。

本記事では、夏秋トマト農家の僕が、夏秋トマトの読み方や産地、栽培時期などについて徹底解説していきます。

夏秋トマトとは?

初めに、夏秋トマトとは何か簡単に説明していきます。

夏秋トマトの読み方

まず最初に悩む人が多いであろう夏秋トマトの読み方ですが、一般的には「夏秋(かしゅう)トマト」と読みます。

「なつあき」でも間違いではありませんが、農家や農業関係者の間では「かしゅう」と読むのが当たり前になっていますね。

夏秋トマトの意味は文字通り

夏秋トマトと聞くと「特別な品種のトマト」と感じる方もいるかもしれませんが、単純に文字通り夏から秋にかけて収穫されるトマトのことを指します。

栽培時期は産地によって多少異なりますが、7月~10月の約3か月間の収穫期間が一般的です。

夏から秋にかけてのこの時期に収穫されるトマトは品種に関わらず、夏秋トマトとして出荷されます。

僕が育てるトマトも夏秋トマトであり、毎年7月~11月上旬頃まで収穫・出荷をしています。

夏秋トマトの反対の時期には冬春トマト

夏秋トマトを聞いたことがある方は、「冬春トマト」も目にしたことがあるのではないでしょうか?

冬春トマトは「ふゆはるトマト」と読むのが一般的で、夏秋トマトとは反対に冬から春にかけて栽培されるトマトのことを指します。

夏秋トマトの場合は音読みで「かしゅう」だったのに対し、冬春トマトは訓読みで「ふゆはる」と読むことに対して疑問を感じる方もいるかもしれません。

夏秋トマトと冬春トマトの読み方が違う理由については、実は僕もよく分かっていないんです。

周りの農家や農業関係者も「かしゅう」「ふゆはる」と読んでいるので、この読み方が合っていることは間違いないんですが・・・

夏秋トマトと冬春トマトの違い

前章で冬春トマトの話が出たので、夏秋トマトとの違いを少し解説しておきます。

夏秋トマトと冬春トマトの違いは大きく下記の2つです。

  • 出荷される時期
  • 栽培される産地

文字通り、夏秋トマトは夏から秋にかけて、冬春トマトは冬から春にかけて出荷されるトマトです。

出荷される季節が違うと、栽培される産地もそれぞれ違ってきます。

夏秋トマトは夏が比較的涼しい高冷地で、冬春トマトは雪が少ない温暖な地域で栽培するのが一般的です。

本記事では夏秋トマトについて徹底解説していくので、次の章で夏秋トマトの代表的な産地も紹介していきますね。

夏秋トマトの代表的な産地

夏秋トマトの出荷量が多い産地(市町村)を順に並べると、下記のようなランキングになります。

※「ジャパンクロップス」出典のランキングを参照

夏秋トマト産地の出荷量ランキング(2016年度)
市町村(都道府県)出荷量(t)作付面積(ha)
鉾田市(茨城県)13,200313
高山市(岐阜県)11,700133
平取町(北海道)6,98061
八代市(熊本県)6,10085
美瑛町(北海道)4,83049

産地(市町村)別に見ると、茨城県と岐阜県の産地が群を抜いて夏秋トマトの出荷量が多いことが分かるかと思います。

しかし、都道府県別の出荷量で見ると、下記のようなランキングにがらっと変動します。

※「タキイ最前線」出典のランキングを参照

都道府県別の夏秋トマト出荷量ランキング(2018年度)
都道府県出荷量(t)作付面積(ha)
北海道42,400708
茨城県33,300773
熊本県22,000415
千葉県15,900492
福島県14,400319

都道府県別では北海道の出荷量がトップに上がり、産地別で2位にランクインしていた高山市がある岐阜県の順位は下がっています。

上記の2つの表から、夏秋トマトの代表的な産地といえば鉾田市(茨城県)や高山市(岐阜県)であり、産地の数や面積を総合して見ると北海道がトップの生産量を誇っていると言えるでしょう。

ちなみに僕はランキング2位の産地である高山市で、産地を支えるトマト農家として夏秋トマトの栽培をしています。

夏秋トマトの栽培スケジュール

上記で挙げたような夏秋トマトの産地は、おおよそ同じ栽培スケジュールでトマト栽培を進めていきます。

具体的な夏秋トマトの栽培スケジュールは下記の通りです。

夏秋トマトの栽培スケジュール

  1. 5月~6月:苗の定植
  2. 7月~10月:収穫
  3. 12月~:農閑期

全ての夏秋トマト産地が上記のようなスケジュールで栽培しているとは限りませんが、基本はこのような時期に夏秋トマトを栽培します。

夏秋トマトの産地は夏が涼しくてトマトが育ちやすい代わりに、冬は寒くて雪が多いため、12月までには片づけを済ませてしまうのです。

そして多くの夏秋トマト農家は冬の間、農作業が無い農閑期に入ります。

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家庭菜園でも夏秋トマトの時期に育てるのがおすすめ

前章で夏秋トマトの栽培スケジュールの解説をしましたが、家庭菜園でも夏秋トマトと同じスケジュールでトマトを育てるのがおすすめなんです。

全く同じスケジュールでトマトを育ててもいいのですが、住んでいる地域の気候も考慮するとさらにトマト栽培の成功率がアップします。

夏が非常に暑くなる地域の場合でたとえると、「5月にはもう暖かくなるから少し早めに定植をする」などのアレンジができるでしょう。

トマト栽培が初めての方は無理に栽培時期を変えず、まずは夏秋トマト産地と同じ流れでトマトを育ててみると失敗しにくいですよ。

【まとめ】夏秋トマトは高冷地で栽培される夏のトマト

ここまで解説してきた夏秋トマトの特徴は、下記のようにまとめられます。

  • 読み方は「かしゅうトマト」
  • 夏から秋にかけて栽培される
  • 夏が涼しくて作付面積が広い北海道の出荷量がトップ
  • 多くの夏秋トマト農家は冬が農閑期

夏秋トマトについて知りたかった情報は得られたでしょうか。

本記事をきっかけに、家庭菜園でトマトを育ててみても面白いですよ。

僕も夏秋トマト農家であり、夏のトマトの育て方に関する記事を多く執筆しているので、家庭菜園にもぜひ役立ててみてください。

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