トマトはいつまで収穫することができるか知っていますか?
家庭菜園では夏に収穫のピークを迎えるのが一般的ですが、その後いつまで収穫ができるのかも知っておきたいところです。
そこで本記事では、トマトはいつまで収穫できるのか解説し、できるだけ長く収穫する方法も紹介していきます。
トマトがいつまで収穫できるかは気温で決まる
トマトは夏が旬の野菜であり、家庭菜園でも夏に育てるのが一般的ですが、いつまで収穫が可能かご存じですか?
トマトの収穫期間は、収穫が始まってから何ヶ月間と決まっているわけではなく、気温によって決まるのです。
夏の野菜であるトマトは気温が低いと、果実が赤くなりにくかったり、生育が止まったりします。
いくら株が元気でも低温下では育て続けることはできず、トマトをいつまで収穫できるかは、栽培する地域の気温によって変わってくるのです。
では、夏に収穫のピークを迎えたトマトは、具体的にいつまで収穫を続けることができるのか、次の章で続けて解説していきます。
トマトの収穫ができるのはいつまで?
トマトは気温が低くなるとなかなか赤くならず、収穫できなくなってくると前述しましたが、何月頃までは収穫が可能なのでしょうか?
いつまで収穫ができるのか、具体的な期間を解説していきますね。
トマトを安定的に収穫できるのは10月いっぱい
トマトが順調に赤くなるくらいの気温があり、安定的に収穫できるのは、秋に向けて気温が下がり始める前の10月いっぱいと思ってください。
地域によっては、10月に入ると急に気温が下がってくる場合もあるので、10月中旬頃までの収穫になることもあります。
気温が本格的に低くなってくる11月になっても少しずつは赤くなりますが、収穫量はあまり期待できないでしょう。
霜が降りるまではギリギリ収穫できる
トマトは低温下では赤くなりにくく生育も止まってしまいますが、日中に晴れて日差しが当てれば、寒くても少しずつ赤く着色していきます。
ですが、一番気温が低い朝方に霜が降りるようになったら、トマトは生育が止まるどころか枯れ始めてしまうでしょう。
霜が降りるまでは少しずつ赤くはなりますが、トマトは霜には非常に弱いので、霜が降りるようになったら潔く片付けを始めるといいと思います。
トマトの生育状態が悪いと収穫期間が短くなる
トマトは気温が確保できれば長い間収穫できますが、栽培の仕方によっては夏のうちに収穫が終わってしまうこともあります。
トマトの収穫が早く終わってしまう原因は、主に下記の3つです。
- トマトの樹が強く育ちすぎた
- トマトの樹が弱りすぎた
- 病害虫の被害にあった
トマトの樹が太く大きく育ちすぎても、細く弱りすぎても、花が咲かなくなって実が付かなくなってしまいます。
トマトの収穫がいつまでできるかは、どれだけバランスのいい生育状態で維持できるかにかかっているのです。
しかし、いくらバランスよく生育していても、病気や虫の被害に遭って枯れてしまえば収穫もストップしてしまいます。
生育状態を維持しながら、病害虫から守って、できるだけ長く収穫する方法については、次の章で詳しく解説していきますね。
トマトの収穫期間をできるだけ伸ばす方法
トマトの収穫は、本格的な寒さがやってくる前の10・11月頃まではできますが、この時期まで実を付け続けるのはなかなか難しいものです。
長い期間収穫するのは難しいことではありますが、トマト農家の僕は、7月から霜が降りる直前まで収穫を続けられています。
僕らトマト農家が長い間トマトを収穫できる5つのコツを、特別に解説していきますね。
トマトトーンで確実に着果させる
まず第一に、トマトの収穫をするためには、実を付ける必要がありますよね。
トマトの実をつけ続けるのはなかなか難しいのですが、トマトトーンというホルモン剤を花に吹きかけることで実が付きやすくなるのです。
実がしっかりと付くことで、樹勢が強くなりすぎることを防ぎ、その後の実の付きもよくなります。
トマトトーンの詳しい効果や、正しい使い方については、下記の記事を参考にしてみてください。
トマトトーンの正しい使い方と注意点【使いこなせば収穫量増加!】
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摘果をして樹を弱らせない
前述したトマトトーンを使ってしっかりと実をつけることができたら、無駄な果実を取り除く「摘果」をしましょう。
ミニトマトや中玉トマトは摘果の必要性は低いですが、大きな実を付ける大玉トマトは摘果が必須です。
摘果をせずいくつも実をつけておくと、あっという間に樹が弱って、次の実が付かなくなってしまいます。
大玉トマトを長い期間収穫するために、下記の記事を参考にして摘果をしてみてください。
トマトの摘果方法!実を減らした方がたくさん収穫できる!?
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定期的に病害虫に効く薬剤を散布する
トマトが病害虫の被害に遭って弱ったり枯れたりしてしまうと、収穫期間は一気に短くなってしまいます。
家庭菜園ではあまり使うことはないかもしれませんが、農薬を使って予防や対策をすることで、病害虫の被害を激減させることが可能です。
農薬を使わない場合は、手で虫を取ったり、病気に効果があるものを調べて使ってみたりしてみてください。
秋に灰色カビ病を増やさない
トマトは秋になると灰色カビ病というカビの病気が多発しやすく、カビが増えるとトマトの実が腐ったり、最悪枯れたりしてしまいます。
灰色カビ病は多湿下で発生しやすく、朝と昼の寒暖差で湿気りやすい秋はカビが繁殖しやすい環境なのです。
カビは枯れた部分に発生するので、枯葉を取ったり、カビが付いた部分を切り落としたりして、菌密度を増やさないようにしましょう。
摘芯をする
いつまで収穫するかあらかじめ決めているのであれば、トマトの生長点を止める「摘芯」の作業をすることで、最後まで大きなトマトを収穫しやすくなります。
枝の成長を止めるので、無駄な花が咲かず、余った栄養が実に届きやすくなるのです。
トマト農家は必ず摘芯をして最後の収穫量を増やしているので、確かな効果が期待できます。
トマトの摘心をする理由と作業方法!【農家は必ずやっています】
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まとめ【トマトがいつまで収穫できるかは育て方次第】
トマトは冬に向けて気温が下がってくると収穫量が減っていずれ枯れてしまいますが、そこまで収穫を続けること自体が非常に難しいのです。
トマトはいつまで収穫できるかというと、霜が降りるまでですが、育て方次第ではもっと早くに収穫が終わってしまうこともあります。
できるだけ長く収穫するためには、本記事で紹介したよう方法を実践しながら、トマトを上手く育てていかなければ難しいでしょう。
トマトの栽培技術が向上すれば、7月~11月までは収穫し続けることも可能なので、長く収穫できるような栽培にチャレンジするのも面白いですよ。